リーガルリサーチプラットフォーム「Legalscape」、独自の自然言語処理技術と生成AIによる次世代型リサーチAI機能“Watson & Holmes” のβ版を搭載 次世代型リサーチAI “Watson & Holmes” は、「知りたいこと」を入力するだけで、信頼のおける法律文献から該当記載を一覧表示。根拠文献を示しつつ、生成AIが要点を纏めます

株式会社Legalscape(代表取締役:八木田 樹、以下Legalscape)は、提供するリーガルリサーチプラットフォーム「Legalscape」において、独自の自然言語処理技術と生成AIを組み合わせた、次世代型リサーチAI機能 “Watson & Holmes” のオープンβ版を、9月4日(月)より提供開始いたします。

“Watson & Holmes” は、従来のリーガルリサーチにおける検索体験を大きく変える、リーガルリサーチプラットフォーム「Legalscape」上の新機能となります。“Watson & Holmes” に対しユーザーが質問をすると、まず、Watson部分(画面右側)が質問に関連する法律文献と文献中の記載を言語情報に基づく弊社独自の技術(自然言語処理技術)によって抽出し、Holmes部分(画面左側、生成AI)はそれら抽出された記載を質問内容に応じて要約することで、根拠となる法律文献と紐付いた形で応答が提供されます。

“Watson & Holmes” は、実務での「今知りたい」「少し気になる」をすぐに叶えるパートナーとして、皆様の傍らで実務の質向上・効率化を支援。質問に対して直ぐに、信頼のおける法律文献の該当箇所を案内しつつ要約を提供し、リサーチ時間を1/10程度にまで短縮します(従来のキーワード検索との比較。クローズドβ期間中のテストユーザーへのヒアリングに基づく)。

開発中の画面イメージ ※ 画面は開発中のものです。

開発の背景

生成AIシステムは、幅広い質問にもっともらしい回答を返すことができますが、法務領域においての利用には様々な課題があります。たとえば、回答内容の根拠や背景となるロジックが不明であることや、特に「それらしい嘘をついてしまう」という通称 “hallucination” 問題は、正確性が求められる法務領域における実務応用上、特に大きな課題となっています。

法務領域、特にリーガルリサーチ領域への生成AIの応用に向けた具体的な取り組みとして、Legalscapeは業界で初めて、質問への回答時に必ず信頼のおける法律書籍を引用するシステムの開発とその精度検証を行い、司法試験短答式試験(民事系科目の一部)の正答率が約71%(※1)となったことをお伝え(※2)しておりました。これらの結果を踏まえ、法務領域における生成AIの活用は現時点においても一定程度実務に耐えうるとの認識のもと、最高技術責任者 城戸祐亮が中心となり、製品実装へ取り組んで参りました。

今回、その研究開発結果を、1万人を超える法務パーソンの皆様方にご利用頂いておりますリーガルリサーチプラットフォーム「Legalscape」に、 “Watson & Holmes” のオープンβ版として組み込むことにより、皆様方の大幅なリサーチ体験向上を見込んでおります。

(※1)汎用的な生成AI(GPT-4ベースのChatGPT)の正答率は43%程度。また、短答式試験の合格に必要な正答率は通常60%程度。

(※2)2023年6月12日付プレスリリース等: Legalscape、大規模言語モデルを活用した次世代型リーガルリサーチAIを開発——森・濱田松本法律事務所との協働により高い精度を達成し、今後の実用化を目指す https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC317WP0R30C23A5000000/

Legalscape 最高技術責任者 城戸祐亮のコメント

新機能 “Watson & Holmes” は、弊社独自の自然言語処理技術により、Watsonが信頼のおける法律文献を提示し、それを元にいわゆる生成AIであるHolmesが回答を生成するという組み合わせにより、高度でありつつも根拠に乏しいという生成モデルの弱点を補い、信頼性を高めると共に、実務における利用を可能としています。これから生成モデルの研究が発展することが見込まれる中でも、根拠を提示することはリーガルリサーチ領域における本質的なタスクの1つであり、今回我々が開発した技術はその一つの解であると考えています。このような先進的機能を製品としていち早くお届けし、ユーザーの皆様からのフィードバックを受けられることを嬉しく思います。

他方で、生成AI・大規模言語モデルの精度、及び、法律領域への応用については引き続き多くの改善余地を残しております。また、本技術の汎用性を踏まえ、今後は法律領域の広範な文書を対象とし、検討・開発を進めていく予定です。

Legalscapeは、法律領域における、生成AI・大規模言語モデルを含む自然言語処理技術のリーディングカンパニーとして、引き続き、同領域における自然言語処理技術の応用を通じた、難解かつ膨大な法情報の利活用性向上に取り組んで参ります。

本機能のご利用について

Legalscapeサービスご利用中の方:

Legalscapeのトップ画面に、以下のようなご案内がございますので、ご参照ください。

製品トップ画面からの案内イメージ

Legalscapeサービスをこれからご利用されたい方:

最長2週間の無料トライアルと製品デモをご用意しています。 こちらの製品ご案内ページから、お気軽にお問い合わせくださいませ。

“Watson & Holmes” 解説ウェビナーのご案内

法務領域における生成AI(自然言語処理)活用の現在地と展望 9月21日(木)11:00〜12:00 場所:オンライン 参加料:無料

法務領域における生成AI (自然言語処理) の活用や、 “Watson & Holmes” の機能について、開発者の城戸が解説するウェビナーを開催いたします。 先着500名様限定となりますので、ご興味のある方はお早めにお申し込みください。

【お申し込みページ】

https://www.legalscape.jp/resource-seminar/seminar/20230921

【開催概要】

開催日時 2023年9月21日(木) 11:00~12:00
参加料 無料
視聴方法 セミナー視聴方法につきましては、お申し込みいただいた方へのみご案内させていただきます。当日のご案内メールが届かない方は、お手数ですが sales@legalscape.co.jp までご連絡ください。
ご注意 本セミナーは先着500名様限定です。アーカイブ配信の有無は未定です。セミナーの内容は変更になる場合がございます。同業他社に所属される方や、お申し込み情報に不備がある方のご参加をお断りする場合がございます。
主催 株式会社Legalscape

留意事項

Watson & Holmes (W&H) は、リーガルリサーチプラットフォームツールLegalscapeの新検索機能であり、資格を持った弁護士に代わるものではありません。当社はW&Hを通じていかなる法律事務も提供するものではありません。

W&Hで活用している生成AIはMicrosoft社が提供する “Azure OpenAI Service” で提供されるAPIをベースとしております。本APIは利用規約上、入力・送信された情報がAIの学習に利用されない旨が示されており、お客様の入力・送信情報には適切な管理・保全が為されています。

W&Hには個人情報保護法第2条第1項に定義される個人情報(氏名、生年月日など、特定の個人を識別できる情報を指し、他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含みます。)の入力はお控えください。

W&Hを通じて提供される検索結果には、第三者の著作権が及ぶ著作物が含まれる可能性があります。当社は、ユーザーが当該検索結果に含まれる著作物を利用したことに関連又は禁止して生じたユーザーの損害について一切の責任を負いません。

株式会社Legalscapeについて

社名 株式会社Legalscape(リーガルスケープ)
社名の由来 法(legal)を取り巻く高度に専門的で複雑な情報を整理し、一目で見渡せる景色(-scape)として描き出す
所在地 〒113-8485 東京都文京区本郷七丁目3番1号 東京大学南研究棟351
設立 2017年9月14日
代表 代表取締役・最高経営責任者 八木田 樹
URL https://www.legalscape.co.jp/

(本件に関するお問い合せ先)
担当者:最高執行責任者 津金澤 佳亨
Email:press@legalscape.co.jp

プレスリリース (PDF, 1.2 MB)